いま一番行きたい都へ《パリ記1》

 

円高を待っていては、いつまでも海外旅行に行けない気がする。未知のウィルスがいつまた蔓延するかわからないじゃないか。だからユーロ高は一旦置いておくことにした。金は後払いでなんとかなる。多分ね。

今回の旅のバディは同僚のハル。年の差ちょうど20。私の大学入学と同時期に産まれた20代女子だ。
ある時ハルに「タソさんと旅行したいです。どこ行きたいですか?」と聞かれて、私は「パリ。」と即答したのだった。彼女は「行きましょう、パリ!」と笑顔になった。話が早すぎるし、嬉しかった。

同じ部署に所属する我々、パリを見据えて仕事を片付けまくった。あんなに夢見たパリが間近に迫っているのに実感が湧かなくて、出発直前に『ポンヌフの恋人』と『ミッドナイト・イン・パリ』を観返した。

ついに私はパリ行きの飛行機に乗った。半日後には憧れのシャルル・ド・ゴール空港に降り立つ。

ロシア上空を避ける北極圏ルートで通常より時間がかかったが、グリーンランド上空を飛ぶのは珍しいらしい。機内アナウンスが流れると乗客達はざわつきながら氷山に見入った。

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