おばあちゃんの豆と寿司

去年おばあちゃんが入院してから毎月の帰省が習慣になった。金曜日の夜に新幹線で帰って日曜日の夜に東京に戻る。高齢のおばあちゃんとの時間をもっと持たなくてはと常々思っていたけれど行動に移せずにいた。一見不幸なアクシデントがきっかけをくれた。 帰省中は毎日施設に行く。ひとりで車を運転して行きふたりきりで話した時、おばあちゃんは、母が「死ぬまでここにいる契約」をしたと言って口をとがらせていた。そもそも2年までしか居られない施設だし、家族は帰宅を望んでいるのに。説得すると我に返ったように「…こういうとこにいると卑屈ンなっちゃうだよ」と申し訳なさそうな顔をした。家族が面会に来ない人も少なくないらしい。 以前はご近所さんのたまり場だった実家も、その面々も歳をとり、亡くなったり外出困難になったりして徐々に人が来なくなった。おばあちゃん不在の今は誰も訪ねてこない。外からの呼びかけに嬉しそうに応じるパタパタというスリッパの音も聞こえない。 正月に一時帰宅した時も、おばあちゃんは予定を一日早めて施設に戻ったと聞いた。口にしない寂しさや不安が、同年輩と居ると和らぐのかもしれない。93歳になった自分は想像できないけれど、その気持ちはわかる気がする。

おばあちゃんは何思う

GWに大腿骨を骨折し緊急手術後入院したおばあちゃんは、今近所のリハビリ施設に入所している。今回は私が帰ってくるのにあわせて、夜までの外出許可を貰ったという。 朝、両親と連れ立って迎えに行き、たっての希望「スシロー」に行った。海老の寿司や茶碗蒸しを美味しそうに食べた。ミニストップのソフトクリームもワッフルまでバリバリ食べた。パジャマのプレゼントを渡したら「持つべきものは娘孫だねぇ〜」とにこにこしていた。 寝室から「帰りたくなっちゃったよう」と弱々しい声がしたのは夕食までの間の時間だった。昼寝をしていた私は適当に返事をしてまた寝てしまった。そのうちバタバタと母親が来て、あたふたと蕎麦屋に出かけ夕飯を食べた。予定より早くおばあちゃんを施設に送り届けた。 おばあちゃんは片手で杖をつき、介助者と固く腕を組む。実家は階段や段差が多い。小股の、擦るような歩き方では少しの移動にとても時間がかかる。これまでは「いつでも家に帰れる」と豪語していたおばあちゃんが「まだ戻ってこれん(戻ってこられない)」と呟いたのを聞いた。 自宅に戻りたい気持ちはあっても、身体がいうことを聞かないのはつらいよな。いつでも手を差し伸べてくれる職員のいる施設のほうが安心だろうな。おばあちゃんはどう思っているんだろう。私は時々顔を見に帰るだけの、無責任な孫だ。

おばあちゃんの転院

5月の緊急入院からお世話になった市民病院を退院、おばあちゃんは今月別の施設へ移った。「リハビリ施設」と聞いていたけど、行ってみたら随分イメージが違う。車椅子に乗った老人たちがひしめき、痴呆の進んだ多くの人が口を開けて天を仰いでいた。話し声が賑やかだった病院と違って入所者同士の会話もほとんどない。 おばあちゃんは「早くこんなとこ出たいわえ」と嘆いていた。おばあちゃんは日頃から「痴呆」や「寝たきり」を恐れているから間近でみるのがつらいのだ。入院以降、来客や飯の支度など日常生活の気がかりがなくなって若干ぼんやりしたが、相変わらず口は達者である。敬老の日の贈り物で、ガラスドームに入ったプリザーブドフラワーを渡すと喜んでくれた。 おばあちゃんが暮らす母屋と両親が再婚後に建てた一軒家。隣り合っているから毎日顔を合わせるものの、ひとりの時間がほとんど。退所して自宅に帰るためには、ひとりで日常生活を送れる体力が必要になる。入所契約は11月までと聞いた。しばらくは頻繁な静岡通いが続きそうだけど、おばあちゃんと話す機会が増えて孫は嬉しくもある。

最高な夏の3品

通院で渋々外出したのは4日前、それ以降は自宅に籠っています。今日の最高気温は37.8度。NHKの画面には「熱中症厳重警戒」の大文字が貼り付いてアナウンサーは「命に関わる危険な暑さ」と言っています。帰省すると言ったのに放ったらかしでおばあちゃんから電話が来ても「暑くて外に出えられん!」と嘆く孫です。ああ、実家にも帰らず終わる5連休。 とはいえ我が家は快適。この猛暑はお籠りの格好の理由にも思えます。今日は今年購入したばかりの夏の品々をご紹介します。 Dyson Cool AM07 身体に悪影響と冷房を毛嫌いしたのも今は昔。平成最後の夏、現代は冷房と扇風機の併用が新常識です。自分への誕生日プレゼント名目で買った羽根なし扇風機。タワー型で省スペース、さっと拭くだけできれいが保てて最高なんですけど。ウルサイというレビューがついて回るダイソンですが、静かな環境を好むヨルさんにも受け入れられています。 アイス枕用カバー ベッドに仰向けになり、アイスノンを首筋にあてながらの読書は至高のひと時。だけど、包んだタオルもベッドも濡れるし日々の洗濯物が増える。そこで専用カバーを使ってみたら、湿らないし、臭わないし、脱着もらく! 洗ってもものの10分で乾いちゃう。ありがとうポリエステル。 麻100%敷きパッド シーツ、掛布団・枕カバー、薄掛け。寝具周りを麻素材に統一すべくこつこつ買い集めてきました。マットレス上の綿の敷きパッドに熱がこもる気がして、麻100%のものに変えたらシャリっとした肌触りがやみつきです。思わず身体をクネクネ擦り付けてしまう。

おばあちゃんの入院

5月3日におばあちゃんが入院した。トイレに行く途中に転倒して太ももの付け根の大腿骨を骨折した。うめき声で飛び起きて、夜中3時に救急車を呼んだ。私と叔父夫妻が帰省中だったのが不幸中の幸いだった。両親は別宅に住んでいるので平日だったら発見は翌朝になっていたと思う。連休中にも関わらず翌昼には手術をしてもらえた。高齢(92才)なので手術までの体力消耗が命取りになるそうだ。 5月と6月に一度ずつ見舞いに行き、二度目の見舞いから昨日帰ってきた。ボルトでの固定に骨が耐えられるか心配されたものの、手術は成功したようだ。最近、母親がリハビリ中のおばあちゃんの写真を親戚のグループLINEに投稿してくれる。皆はスタンプや声掛けで応援する。母もスタンプで応戦するようになり、LINEの扱いが板についてきた。 おばあちゃんと病室のベッドに並んで腰掛ける。いつも土産に持っていく大好物の柿の葉寿司を、看護師さんに見つからないようにこっそりぺろりと食べてしまう。窓からは猛々しい新緑に覆われた山が見え、20センチくらいしか開かない病室の窓から涼しい風が入ってくる。ベッドに寄りかかると気持ちが良くて寝てしまいそう。 実家にいても、家中を動きまわるせっかちなスリッパの音がしないのが妙な感じだ。ひとりきりで手持ち無沙汰だけど、両親が毎晩豪勢な食事処に連れ出してくれるので遠慮なくご馳走になる。おばあちゃんの入院に加えて、従兄妹らの出産や結婚式、私自身の転職もあって今は話題が豊富である。

井の頭は、雪。

首都圏で20センチを超える積雪は「4年ぶり」だそうだ(ブログ内を検索しても4年前の記録がなくてつまらない)。昨日は帰宅指示が出る前にさっさと退社した。夕方のテレビ番組で改札内の入場規制がかかった渋谷駅の様子が映し出されていた。雪の夜は、外が白くて明るいのだな。 今朝起きると夜半まで降り続いた雪がふさふさと積もっていた。こんな日に限って始業前に社長参加の打合せがある。早めに家を出たものの、この雪景色を楽しまない選択はない。会議より雪、首からカメラを下げて家を出た。 あえて雪の多そうな玉川上水沿いへ。ふくらはぎまで雪に埋もれ、コートの裾をたくし上げて歩いた。ミドル丈のレインブーツの中に雪が入り込んで冷たい。雪の重みでしなる枝下をくぐり、まだ誰も触れていない雪に手を伸ばした。毎朝必ずランナーとすれ違うこの道もしんとしていた。

10,000円の満足

寝過ごし事件以降、アラームをかけて昼寝することを覚えた。職場の若者が「そーゆーときはアラームかけるんです♪」と教えてくれたのだ。私が大学に入学した年にまだ3才だった彼女の言いつけを守って、食堂の机に突っ伏す前にiPhoneのアラームを素早くセットしている。 楽天で買った一万円ちょっとの羽毛布団のおかげで毎晩の入眠は快調だ。派手なバナー、縦に長すぎる商品ページ、レビュー5,000件超、というどこまでも楽天市場的な三拍子に半信半疑だったものの、買い物は大成功だった。「かさ」は高く、ふわっふわに軽く、風呂が沸くまでもぐろうものなら朝まで寝てしまう。 ずっと使っていた無印良品の洗える掛布団はぺらっぺらで、冷え性でもないのに湯たんぽや腹巻きが欠かせなかった。去年は羊毛の敷きパッドまで買った。今年は(就寝前の布団を温める目的で)布団乾燥機を買うつもりでいたのにいい感じに物欲が失せた。今は毛布もいらない。羽毛布団は寝姿をシンプルにするのだな。

1dayジュースクレンズ @SUNSHINE JUICE恵比寿

コールドプレスジュース【こーるど・ぷれす・じゅーす】[名]《栄養素の破壊を最小限に抑えるために材料に熱を加えず搾ったジュースのこと。低速回転のジューサーで素材をすり潰し圧力を加え果汁のみを抽出する。固形物の食事の代わりに飲んで消化器官を休ませる目的で行うものをジュースクレンズという》 コールドプレスジュースとの出会いは2年前のハワイ。オーダー直後、3本の人参がガガガ! とジューサーにすり潰され、他の野菜も気前よく放り込まれていった。てっきり他の客の分も一緒に作っているのだと思った。肉料理に疲れた胃腸に染み渡るピュアな美味しさだった。値段は高いが果物や野菜の量を考えれば納得である。 1日で飲むジュースは6本。2時間おきに飲むので空腹は感じない。8時間でトイレは5回、体重は1.1キロ減ったけど、1DAYなら「痩せ」よりも「胃腸を休める&豊富な栄養素で肌がきれいになりそう」程度に思うのがよさそう。体調が万全ではなかったので後半の頭痛がひどかったけど、善いタイミングでもう一度やってみたい。 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ 誘いに乗ってくれた同僚とSUNSHINE JUICE恵比寿店で待ち合わせてピックアップ。カラフルなクーラーバッグに入れてくれた。(この日はLINE@のクーポンで各種クレンズプログラムが2,000円引き!)   RAINBOW Cleanse(初心者向け)6,000円 [1本目]9:30 THE ROOTS(980円)★★★★★…

秋の秩父路、蕎麦ーダムーわらじかつ

休暇をとって平日の秩父へ。去年は11月初旬に中津峡で紅葉を見たけれど、今年は標高が低い浦山ダムへ行った。秩父に詳しいめろすが車を借りてきてくれ、運転も行き先も任せてしまう。最近元気がない自分を心配してくれたのだと思う。助手席に乗るだけでも旅行気分になれる。 秩父といえばホルモンだ。毎回ホルモンの連呼を聞きながら、めろすは密かに「わらじかつ」が食べたかったらしい。わらじかつを食べるならばいつ見ても行列している「安田屋日野田店」に行くしかあるまい。昼は「みやび庵」で蕎麦を食べ、空いていそうな時間を見計らって午後4時に行ってみたが売り切れで店じまいしていた。 わらじかつ気分の我々は「雅紀屋」へ。初めてのわらじかつは、味付けも天つゆ風で衣もしっとり。名古屋の味噌カツ並に濃い味を想像していたけれど思いの外食べやすかった。店によって特徴があるんだろう。自然豊かで食べ物も美味しく、都内からのドライブに適した秩父。ドラマティックな秩父夜祭のポスターにも惹かれたし、初夏の芝桜も一度見てみたい。

この生きづらさに名前

雨のぱらつく週末に吉祥寺の心療内科を訪ねた。インテリアは明るい木目調で、目にうるさいチラシやポスターもない。待合室には布張りのシングルソファが横一列に並び、受付には女性が二人も座っている。診察室は広く、二面採光で明るい。後方のスペースには「精神分析的精神療法」に使う寝椅子がゆったり置かれている。先生と向き合うと窓の外に植物の緑が見えた。頻繁に通った高円寺の心療内科は薄暗くて雑多で狭かった。ここならルンバも掃除しやすいだろう。あの診療所じゃ絶対無理だけど。 問診票に沿って先生と話をする。一連の身体の不調のこと。内科検査で異常が見つからなかったこと。会社組織への不信感や売上のプレッシャーを感じていること。上層部との面談で取り乱したことや、所得格差にショックを受けたことも話した。過去の通院歴と社会復帰への経緯。現在の生活環境、家族、友人付き合い、趣味。40分ほど語り倒した。 「社会不安障害」「身体表現性障害」「パニック障害」。先生が口にした病名は3つあった。以前パニック障害の治療中に服用していたのと同じ薬が処方された。説明書には「脳の過剰な興奮を抑制して発作をおさえる」とある。こうして必要に迫られて自分について話す場面はどっと疲れる。診察室を出たら腹を下した。 3年ぶりの心療内科。また、ここに帰ってきてしまったなと思う。だけど、生きづらさに名前がつけば、安堵もする。