異常だけど正常な日常

平日8時過ぎの渋谷駅ハチ公口。
できたばかりの渋谷スクランブルスクエアも渋谷ヒカリエもひっそりとしている。

週末の井の頭公園は普段の3倍くらいの人出だった。西園のトラックを走っていると、当て所もなく一人歩きする若者が目についた。一人暮らしの気分転換だろうか。ベンチに腰掛けてマスクを外して会話する人もいる。マスクをして走る人は息苦しそうに見える。

緊急事態宣言から12日。対象地域が全国に拡大されてから3日経った。今は感染リスクの問題があるものの、週末の公園に人が集まるのは本来は健康的なことだ。

朝の京王井の頭線はヨーイドンと急がなくても座れるようになった(小池都知事の公約通りになった)。テレワークで週の半分は在宅業務になって、往復3時間の通勤時間がなくなった。“3密” を避けるために会議は激減した。一部の企画は進行見合わせになった。

こうなってみて、今までがオカシカッタことに気がついた。週5日満員電車で通勤し、出社すれば締め切りに追われて余裕がなく、中身の薄い会議に時間を取られて苛ついていた。

「家庭を持たない会社員」である私は、この働き方の変化を歓迎せずにはいられない。東日本大震災のあと、過剰なネオンが消えた薄暗い街に向かって、((ほんとはこれでよかったんじゃないか))と思ったように、少し前までの日常が異常に思えてくる。


2 comments on “異常だけど正常な日常Add yours →

  1. 私も、こんなに子供達と一緒にのんびり過ごすのは、産休育休以来だと気がついて、あわただしいちょっと前の時間の過ごし方に想いを馳せることがあります。

  2. 公園に来た人の中には、平日働き詰めで週末は寝てばかりだった人もいるだろうね。
    人々の習慣が変わり始めていると感じました。

    うちの会社でできるはずがない、と皆が諦めていたテレワークやウェブ会議が整備され始めています。
    このくらいの世界的脅威がなかったら、頑なな事業者は働き方を変えようとしなかったと思う。

    事態が終息した後には何がどうなっているのか興味があります。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。