「注力したいのはコンテンツマーケティングで、ライティングとマーケティングは得意です。デザインやコーディングはできませんし、管理職になりたいと思ったこともありません。だから……御社の求める人材にマッチしないのなら、バッサリ切ってください」と言うと面接官は驚いて、そんなことを言う人は初めてですと笑った。
欠員補充なら前任者と同等かそれ以上のスキル保持者を求めているだろう。人員拡充なら次に叶えたいプランを遂行できる人材が欲しいはず。内定獲得のために自分のキャリア(プラン)を偽ってものちに不幸になるだけだ。あと数年で会社を辞めたら40半ばの非管理職で、転職がもっと厳しくなるのは目に見えている。
こんな風に思えるのは就業しながら転職先を探すメリットだと思う。面接に使う会議室はメディア公開用に整えられた刑務所の独房のようなもの。通りかかる社員は皆ニュートラルな表情をしているし、会社の本質なんて働き始めるまではわからない。だけど初歩的なミスマッチは避けたいし、不穏な空気を感じたら辞退する。たとえ採用見送りになっても明日出社する職場はある。納得のいく転職のために、この立場を利用しない手はない。
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