歌川国芳-『其のまま地口 猫飼好五十三疋』(そのまま-ぢぐち・みやうかいこう-ごじうさんひき) 3月8日日曜日、生後半年の仔猫がやってきた。知人が預かっていた “保護猫” だったが、何度か会ううちにめろすが惚れてしまった。先住猫ヨルさんを寵愛するあまり、頑なに新しい猫を迎え入れようとしなかっためろすが……! 名を「うた」とした。白に黒ぶちの模様が、歌川国芳の浮世絵の猫のようだから。それに「うた」と口に出して呼んでみたらしっくりきて、これ以外にない気がした。 うたは跳ねるように生きている。動くものにも動かないものにも飛びかかるし、机にもシンクにも本棚にもひと蹴りで飛び乗ってしまう。当初は慣れない家に不安がって、夜中も鳴き通してろくに眠れなかった。寝不足でぎりぎりに出勤し、会社のトイレで歯を磨いていたくらいだ。 今では家にも馴染んでわがままに暮らしている。お気に入りの昼寝スポットも見つけた。 私は仔猫と暮らすことができて嬉しい。本当に嬉しい。どのくらい嬉しいかというと、各駅停車でゆっくり帰宅する人だったのに今や座れずとも快速に乗り、最寄駅に着けば「うた、うた」とリズムをとりながら早歩きで帰宅するくらいに嬉しい。
