Archive for the 'ただいま失業中' Category

ただいま失業中2016〜第2回

就職先が決まっても就業前日までは失業給付が受けられるらしい。打ち切りになると思っていたので安心した。就業前日にハローワークで手続きが必要と言われたので自転車に乗って行ってきた。 受付のトレイに書類を入れるとすぐ職員に声を掛けられた。「就職決まったんですよね」と独り言のように言って書類を取り出す。あ、前回も吉田羊に似たこの女性だった。再就職する人が少ないのか別の職員が「おめでとうございますう〜!」と破顔した。手続きが終わり「私がここに来るのは今日で最後ですか」と聞くと吉田羊が頷いた。


2016年の転職活動まとめ ―序章―

仕事を辞めて2ヶ月以上経つ。朝の憂鬱がないのには救われるけれど、働かない日々はめりはりがない。無職の後ろめたさも平日に休める特別感も今では薄れ、玄関を出ないまま終わる日も多い。次にいつ休みが取れるかわからないってのに。 内定を貰うその時まで、ハリハリと落ち着かない気持ちが続いた。ここのところストレスを遠ざけることを重視してきた自分が久々に奮起した出来事。時間があるうちに今年の夏の形跡を残しておこうと旧ブログを叩き起こして長文を書きました。《2016年の転職活動まとめ》はこちらです。


ただいま失業中2016

先日申し込んだハローワークのガイダンスを受けた。受講者は30人ほどで40〜50代が多く若者はまばら。職務経歴書の書き方や面接の心構えなどの講義が一時間半続く。リストラにあった中年男性が再就職を目指し奮闘するストーリーのビデオ教材も観た。こんなのを前回も観たんだっけな? そう、前回失業した時はこういう場がつらくて仕方がなかった。失意の底で神経過敏で心は病気だった。だから今の方がずっとずっとましだよな。あの頃を思い出してぼんやりしているうちに講義は終わった。帰りに500円のラーメンを食べた。


ただいま失業中〜第22回 痛い生活費

すんでのところで仕事を逃し、10日間も実家に居続けた。ニートになる人の気持ちがわかる。このまま実家にとどまったら楽だろうか。ある日おばあちゃんと行った銀行で言われるがままあちこちにサインをした。自分名義の積立の解約だった。 それが当面の生活費になる金だと気づいてから情けないのと安堵とで銀行のベンチで陽気に振舞った。世間の盆が明けた頃に仕事の紹介があった。勤務地が渋谷だったので気乗りしなかったが、静かに金の手続きをするおばあちゃんの姿を思い出せば申し訳なさがせり上がる。とにかくやろう。


おばあちゃんファーム ’14盆 活力

不採用の電話があったのは帰省の準備をしていた時だった。力が抜け崩れ落ちた。仕事が決まっていない状態で帰るのは気が引けたが気分転換が必要だった。土産を買って東海道新幹線に乗る。到着は夜だったので朝を待ってOBFを見に行った。 夏の収穫は大方終わり不恰好なものや干からびた野菜がぶら下がっているだけだった。なのにその四角い土地からはいつも以上に生命力が感じられた。小さな畑は季節を丸ごと現しながら移り変わる。つるを伸ばしたり虫に食われたりして夏の作物を出し切った。枯れかかった茎が力強かった。


ただいま失業中〜第21回 仕事は決まらない

中野の仕事が流れたらすぐに別の仕事を紹介してもらえた(おそらく優先紹介リストに入ったのだろう)。今度は三鷹勤務のDTPオペレーター。派遣会社の担当者は明日Illustratorのスキルチェックをすると言った。安心は一転、緊張で固まる。 DTP経験豊富な友人宅に駆け込んで基礎を教わりスキルチェックをパスした。派遣先企業との面接の感触も悪くなかったが「これまでの職歴に比べて地味な仕事ですが?」と聞かれたのが気になった。専門的な業務で集中して働きたいと答えたのは本心だったけれど、翌日不採用の連絡がきた。


ただいま失業中〜第20回 給付金と暮らしたこと

「返事待ち」の一ヶ月間は連絡がないのをいいことに現実逃避していた。近しい友人たちも気を遣って経過を聞いてこない。もし聞かれても「返事待ちなんだー」と応募先のせいにできた。自分は行動しているのに、と後ろめたさを打ち消して。 そんな中ついに失業給付期間が満了した。退職から半年経っても仕事が決まらず期限が二ヶ月延長されたがそれも終わってしまった。失業中も前職の給与の約6割を受給できたので節約すれば生活できた。自らの積立金のような、全労働者からの寄付のような金を受け取り暮らした日々だった。


ただいま失業中〜第19回 待ちぼうけの一ヶ月

時間の無駄でしかない不毛な面接を終え、新たな仕事を探し始めた。次に応募したのはECサイト運営の仕事で勤務地は中野。自宅から歩いても2キロくらい。都心への通勤となれば満員電車は避けられない。駅の雑踏に目が眩むようになってしまったこの身体でも、近所の事業所なら安心だ。 ここに決めたい思いが日増しに強くなるものの、面接日の連絡はなかなか来ない。派遣会社に催促しながら一ヶ月が過ぎたある日、求人取り消しの連絡が来た。求人取り消しはこれで3件目。7月の一ヶ月間はなんと返事待ちで終わってしまった。


ただいま失業中〜第18回 人寄せの罠にかかるな

人集めが目的の求人情報には誘い文句が溢れる。『ライティング経験があればOK!』の求人も、聞けば高度技術が必要なバリカタの仕事だった。面接では意識の高さをアピールしろと言われる。 麻生太郎風の専務は歴史ある弊社社員は家族同然しかるに採用は人柄重視、みたいなことを言っていた。経歴書を一行ずつ指でなぞりながら何度も話に割り込む。美術大学を卒業してまで就職もせず(当時)派遣社員に甘んじたのはどういうわけか。到底理解できぬという顔でにじり寄る。人柄重視というならこっちの基準であなたは無しだ。


ただいま失業中〜第17回 職場見学という儀式

派遣会社に仕事を紹介されて「職場見学」に行った。派遣先企業との面接をこう呼ぶらしい。待ち合わせの地下鉄の駅に着きホームのベンチに座って職務経歴や志望動機のリハーサルをやった。ぶつぶつと口元を動かす。粉っぽくかび臭い空気。 A4地上出口で派遣会社の営業マン二人と落ち合った。普段は早口の担当者とやりとりしているが彼女は面接には同行しない。彼女の軽薄なしゃべり方が都会の事業所によくいる感じだと思う。営業マンは初対面の挨拶もそこそこに今から向かう企業の説明を始め、往来で模擬面接をさせられた。