やっと辿り着いた明るい物置

カウンセリングや診察で病院に向かう時の心は軽い。見栄を張ったり、納得できないことに同意したふりもしない。取り繕うことをいっさい放棄した軽さだ。素の状態で対面することは、心を診る仕事に就く人への最大の敬意だと思う。

カウンセリングを行う部屋はベッドやら歩行器やらが置かれてテイのいい物置みたいだ。磨りガラスの大きな窓があり、パイプ椅子にぺたんこの座布団がくっついている。そこに座る時は感情を抑えない。ここは「辿り着いた場所」で、どんな馬鹿げた話にも耳を澄ませてくれる人がいるから。


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