朝のくたびれた街

髪の乱れた若いホストが店の前を力なく掃除している。目の下にマスカラを黒く滲ませた少女がしゃがんで煙草を吸っている。ミニスカートが薄汚れている。大量のゴミ袋を歩道に放り投げるビルの管理人がいる。客引きはいないが案内所やカラオケ店の騒がしい音楽は今も鳴りやまない。

午後には喧騒が戻ってくる。一日残らずの繰り返し。歌舞伎町が心拍の正常値を刻むのは午前の短い時間だけだと思う。早過ぎても遅過ぎてもいけない。この8時頃がその時間かもしれない。そう思いながらスポーツクラブのプールに向かった。

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