断捨らない方がいいこともある、稀に

昨年の書籍の大量処分で本棚はすっきり。いつか読み返すかもしれないなんてナンセンス! と大胆に本を処分した。ブームも過ぎ遅れてやってきたこの断捨離的思考は実家にも飛び火した。ものを捨てられない御婦人=我がおばあちゃんに「だ・ん・しゃ・り!」と説き実家の本棚も整理した。

今日、本棚の前に立つと何冊かあった阿部和重が無い。著者名順に「あ」から始まる本棚のほとんど先頭にあった彼をあの時手放したのだろう。いつか読み返すかもしれないが一年後にきっちりやってきた瞬間である。断捨離に初めての敗北。


2 comments on “断捨らない方がいいこともある、稀にAdd yours →

  1. 学生時代に必ず買っていた月刊誌があり、
    数年前に断捨利を実行した際に、特別に気に入った号だけを数冊残しました。
    雑誌は本とまた違う想いがありますね。(関連するエントリーにtasoさんの「捨てられなかった雑誌5選」が出てました)

    その後、編集人が替わり、その雑誌から少し距離をおいていたら
    気がつけば休刊していて、その最終号も買いそびれていました。
    ありがたいことに、先日その雑誌に関わったアートディレクターの個展でバックナンバーが置いてあり
    思いがけず手にすることができました(販売ではなかったので読むだけ)

    昨日、その雑誌の元編集長の訃報を知り
    あの時手放したバックナンバーに、学ぶことはまだあったんじゃないか
    なんて、つい先ほど考えていたのでコメントを残させていただきました。

  2. >パピさん
    「広告批評」ですよね。
    学生時代には買っていました。高校生の時はアートディレクターになりたかったのです。
    そんな志の高い時代もあったのかと今では驚きますが、
    収まりのいい雑誌のサイズは愛着をもてましたし、専門用語もシロートには刺激的で窓辺に並べて置いていました。

    偉そうなことを書いてしまいますが・・・、
    大学時代に自分の中でパッと広告熱が冷めた時期があり
    (90年代後半ですね、同じように金がかかっていて映像もどれも同じに見えてしまい)
    それどころではない個人的な問題に煩悶したりしているうちに広告とは無縁になってしまいました。

    そうですね。本(小説)と違って雑誌の情報はどんどん古くなります。
    でもそのぶん時代の空気をまとっていて魅力的ですよね。
    あの頃から広告手法も随分変わりましたね。休刊は知りませんでした。
    実際の広告を見て学んだり感じたりせよと。時代が移り我々は大人になったのですかね。

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