ただいま失業中〜第14回 ほのかな安堵の日々

B社は大手の派遣会社でオフィスは高層階にあった。ガラス張りの窓に都庁が迫る。担当者は細身で眼鏡をかけた30才くらいの男性だった。彼はこちらの職務経歴に納得した様子で、派遣先企業に時給アップの交渉をしてみると明るい顔をした。

フルタイムで働いても月収は前職の2/3以下になる。でもフリーペーパーの仕事は是非やりたいと思った。動きがあったら連絡すると言われたが彼の態度を見ればほとんど内定した気分だ。街で冊子を見掛けると(あの中で働くのか)とほのかな安堵に包まれる。だが気がかりも残されていた。


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