とてもとても有名な無名の島

ランゲルハンス島の午後』という村上春樹のエッセイがある。ランゲルハンス島は体内のグロテスクな細胞群で地名ではない。大学の食堂で「どこの国にあるのかなあ」と頬杖をついた友人に正解は言わなかった。想像力は正誤ではない。

中学の生物だ。進学塾に通い家庭教師もつけていたのに、母は「誰にでもわかるように説明できなきゃ覚えないわネ」と言い、習った単元の簡易授業を求めた。ランゲルハンス島の説明もした。居間で。その生物学用語は教科書内での知名度が低く、あまり受験に出ない部分だったのだろうか。


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