ただいま失業中〜第8回 あの建物を見るたびに

年末のテレビ番組は一年を振り返るのに忙しい。オリンピックの開催決定は2013年のビッグニュースで、ジャパンコールと直後の歓喜の姿を何度も見た。新しくなる国立競技場は自転車ロードレーサーのヘルメットみたいなデザインだと思う。

毎日国立競技場の脇を歩いていた。競技場の空撮がかつての通勤路を映し出した。見慣れたビルや公園がある。揚々と歩いた転職したての春、足元をふらつかせ泣いて帰った夏の夜。秋、冬、明るい気持ちで歩いた日を思い出せない。一年分の感情はまだ、胸にずっしりと重くて時々うごめく。


4 comments on “ただいま失業中〜第8回 あの建物を見るたびにAdd yours →

  1. つらい思い出はなかなか消えないと思うけど、一歩づつ。
    笑顔になれるような職場を見つけて、いい通勤路の思い出に書き変わることをお祈りしています。

  2. >Error302さん
    お久しぶりです。コメントありがとうございます。
    そうですね。
    今は不安や後悔が先立ってしまいますが、
    あの一年間がなければ変化を手に入れることもなかったでしょう。
    自分を否定し続ければただつらいだけですね。
    これからは心の余裕を失わないように。新しい暮らしができるといいと思っています。

  3. 文章を拝見すると、ご自分の感情をすごく丁寧に見つめているなぁという印象を受けます。素晴らしいと思うし、すごい『才能』だなぁと。

    結果に対して、不安や後悔しかないのなら、それはきっと『最終的な』結果であり、その結果にはその元としていろんな原因が眠っていると思います。だから、自分だけを責めないで。

    そういう作業を進めていけば、自ずと、”本当に自分が後悔すべきこと”と、”そうでないこと”が見えてくるはずです。

    そんなにうまくいくとは思えませんが(笑)、けれど、次の選択肢として、自分の基準がはっきりするし、その一年間を将来のためにうまく消化できると思います。

    知ったようなコメントで申し訳ないです。
    応援してます~

  4. >Error302さん
    休職してから受け始めたカウンセリングでは、正直に気持ちをぶちまけることが治癒の第一歩でした。
    それまでは感情を訴えることがわがままに思えたり、罪悪感を持ったりしていました。
    カウンセリングとの出会いは、自分を主人公にして生きていいのだよと言われたことと等しかったです。
    自分本位に考えるのが悪いわけではないと。
    職場でのよくない経験を振り返ったときの「あのとき耐えることができていれば・・・・・・」と
    いう後悔は間違っていました。
    カウンセリング(認知行動療法)で教えられたことは、
    物事に対してすぐに感情的になる前に言動の選択肢を拡げる癖をつけることでしょうか。

    とはいえ、何かが起きれば気持ちが乱れます。
    だから少しでも自分を俯瞰できるように。
    気持ちが乱れて自分にとって価値があるものを失わないように心がけたいと思っています。
    コメントありがとうございました。

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