同僚よ、このことずっと心に留めておけ。

今月から上長の指名でメールマーケティングに関わることになった。バッターボックスに初めて立った私は、社内デザイナーの思わぬ攻撃にあうことになった。

彼女は会議室に入ってきたときから苛立っていた。会議は私が仕切り、彼女から質問をふたつ受けてそれに答えた。とりあえず言っておくという風な、彼女らしくない質問だった。場を和ませようとして言った話にも笑わなかった。企画が通った形で会議は終了したが、親しい私への態度はよそよそしさを増し、そのうち口をきかなくなった。

その後、彼女は自部署の役職者たちに企画の不備を訴えはじめた。これまでは担当者と直接やりとりをして進めていたはずなのに様子がおかしい。心当たりのない不満の声は私の席まで届きはじめ、チームメイトも首を傾げるようになった。結局、依頼した業務は1週間以上制作がストップしたままになった。

彼女の本当の不満は、彼女の忙しさなのだ。今の彼女の忙しさは誰も否定できないだろう。とはいえ、真剣に取り組んだ自分の仕事が言いがかりにまみれたことは不本意だった。ストレスで身体に異変が出始めた。

先日、制作会議が仕切り直された。事なかれ主義の部長がなだめるのを遮って、「どうしてこんなに大ごとにしなくてはならなかったのか?」と目の前の彼女を問いただした。あまりの忙しさでいつもと違うことをしてしまったと言った。「たかがメール1本で友人関係までこじれるなんて馬鹿馬鹿しい。こんな気持ちになる仕事なら、私は二度とやりません!」と啖呵を切った。

私は昔、多忙で荒んだ心をコントロールできずに、仕事も仲間も失った経験がある。彼女は仕事を失わずに済んだけれど(よかった)、私の信頼は戻らない(残念ながら)。いかなる状況であれ、真摯に取り組まれた仕事へ理不尽な言いがかりをつけてはならない。状況が悪いなら改善を働きかけるのが先だった。君よ、このことずっと心に留めておけ。


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