もし村上春樹がノーベル文学賞をとったなら

ご存じのように日本国内の村上春樹の評価は見事に分断されている。しかし今夜ノーベル文学賞を受賞すればムラカミ再考の動きが起こる。もちろんファンはそれを歓迎する。多様な要求に耐える読み物のバリエーションも揃っている。

瑞々しいプロットを持つ初期があり、純文学があり、人間心理を昇華した創作世界があり、社会的事件のルポタージュがあり、短編やエッセイがある。もちろん最新作『1Q84』も。まるで屋台に品物を並べている店主の気分だ。今夜お客は来ないかもしれない。でも、それはいつ来てもいい。


3 comments on “もし村上春樹がノーベル文学賞をとったならAdd yours →

  1. 今日の報道、楽しみにしています(ドキドキ)。

    これだけ、海外での評価が高いわりに、
    村上春樹の愛読者って、周りには少ないんだよね。
    もっと熱く語りたいわ~。

    ちなみに、ボブ・ディランも、いつも、ランキング上位にはいってるんだよね。
    ボブも、いつかとってくれるんじゃないか、とひそかに期待している私。

  2. >ちんみん氏
    「壁と卵」も「核に対するNO」の両スピーチも各国で報道されただろうし、『1Q84』で本人のいうところの「総合小説」第一弾も書き上げたし翻訳本の評判が上々なら機は熟したのではないかと思っているんだけど。(興奮しすぎて息継ぎを忘れた)
    ・・・もし受賞したら日本人では大江健三郎氏以来になるわけだね。
    そして高校生の時、すでにちんみんは大江を読んでいた!
    ボブ・ディランが文学賞の予想上位にいることも最初にちんみん氏に教えてもらったなぁ。
    あれから何年経ってるだろうね?

    『夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです』に書いてあったけれど、海外では刊行年順に翻訳書が出版されないから順序がばらばららしい。
    初期の作品を順番通りに読めないなんてありえない!って思ってしまうね。

  3. 一夜明けて。
    村上氏、受賞なりませんでしたね。
    http://www.nobelprize.org/

    こういう賞の類は村上氏本人が一番興味なさそうですが、さすがにノーベル賞に演出されたら辞退はしないんじゃないでしょうか。サルトルみたいに。

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