杉並キャットホール

植え込みに猫が出入りしている穴があって、ひそかに「杉並キャットホール」と呼んでいる。通りかかると癖で覗いてしまう。運がよければ二匹の猫に会える。居ないナアと顔をあげると塀の上から一部始終を見ていた猫と目があったりして、むおん。その状況さえもが愛しく小さく身悶える。

ここのところ急に梅雨らしく雨が降り続く。この場所にはあの模様のあいつ、と脳内の「杉並猫マップ」を開いてあたりを見回しても雨の日の猫はどこへ行くのか見かけない。体毛が濡れるのを嫌う猫たち、こんな夜はうちに来ればいいのに。

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