おばあちゃん帰る

一年1ヶ月ぶりにおばあちゃんが自宅に戻った。「来週(実家に)帰ります」と知らせた母とのLINEでそれを知って、有給休暇を取って長めに帰ることにした。両親は共働きだから平日の留守番をひとりでさせるのが不安だったのだ。だけど週に3日はデイサービスに通い、ヘルパーさんが時々様子を見にくると知って少し安心した。実家は簡易リフォームがされ、玄関や寝室に手すりが取り付けられていた。

おばあちゃんは「快気祝いの品を早く配らにゃあ」と気が気でない様子なので豪雨のさなかに近所の挨拶回りをした。大きく重い傘をさし、赤飯とデパート共通商品券の入った風呂敷包みを抱え、杖をついたおばあちゃんと腕を組んで進む。牛歩の歩みで。家々の玄関で「またよろしくお願いします!」と雨音に負けじと私は声を張り上げた。何十年もまともに顔を合わせていない人に「タソちゃん!?」と言われたりした。

その翌週、当たりっこないと家族で笑い飛ばしていた東京オリンピックのチケットが当たっていた。陸上競技の最終日に家族4名分。93歳のおばあちゃんは来年東京に行くという目標ができたし、手術やら怪我が続いてめっきり老け込んだ父親も驚いて喜んだ。老いゆく家族に、少し先の明るい話題ができた。


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